現地はまだ28日

 
予定では、この日はバラガンツアーをしようと思っていた。
だけどね、公共施設は全閉鎖されてる。

12時にアポイントをもらったヒラルディ邸は私邸なので、閉鎖もされず、ゆっくり見れた。
確かに建築として素敵。今でも斬新だしね。
 
デザインも素晴らしいと思う。だた同時に感じたのは無制限にリラックスできる家ではないって言うこと。
ヒラルディ邸はその敷地の割には生活スペースが少ない。
一階はプールと中庭、台所と玄関しかないもん。
台所も見させてもらった。クリーム色のタイル張りの地味なキッチンだった。
それでも昨日的なデザインなのは間違いないけど。
 
この家の素晴らしさは、空間の切り方もそうだけど、色使いだと思った。
外観で使われているピンク。
中庭はピンクと紫がかったグレイ、それにオレンジ。
プールは白と赤と青。隠し味で黄色。
そこへつながる廊下は黄色の光が差し込んでいる。
 
やっぱ広い家は良いね。

その後、バラガン邸へ行ってみた。
閉鎖しているのは知っている。だけど行ってみた。
 
運良く入れてくれた。
10人くらい住めそうな、広い家。
いや、日本のマンションにしたら10世帯、40人くらい住めるくらいのスペースだろうね。
 
大金を稼いだバラガンは、そこに一人で住んでいたと聞いた。
終生結婚をしなかった。
だけど彼女は数えられないほど出入りしていたらしいね。
 
高さ9メートルのリビング。書斎とつながっている。
中二階に客間が二つ。正確にはスイートの1室。
 
バラカンの家は色はほとんど使われていたなかった。
で思った。
彼の多用した明るい有彩色の作品は建築家バラカンのキャラクターであって、プロモーションストラテジーであって。
本質的なバラカンの好みとは少し違うんじゃないかなって。
 
サイトゥ−ンはあんなに広い家には住めそうにないな。
広すぎて落ち着かないや。
 
それにしても、住む環境は生き方を左右するかもね。
 
その後、ティオティワカンへ。
10分遅れで到着して、中に入れなかった。
だけど、とりあえず実物のピラミッドが見られたのは良かった。
エジプトの石づくりと違って、セメント作りって感じ。
 
技術的にはメキシコのほうが上って事になるんじゃないかな。
石積みの技術はエジプトのほうが断然上だと思うんだけど、基本的には積む技術だからね。
メキシコのは、建材自体を作ってしまってるんだもん。
 
たしかに、それは近代につながる技術で歴史的なロマンではなくなるけどね。
 
キリストやクレオパトラやジュリアスシーザーがいた古代から中世まではそんなに差が無い気がしてる。
産業革命からインターネット前までもそんなに差が無い気がしている。
そしてインターネットの時代、つまり今。
 
本質的な価値の話ではなくて、ウケるのは骨董品だったりするね。
 
突如、嘉山さんから電話。
キューバがメキシコとの飛行機の運航を停止する発表が出た。
 
WHOがフェーズを4に上げたって。
電話の向こうから緊張感が伝わってくる。
そりゃそうだ、キューバ-メキシコ間の航路が停止されちゃったんだもん。
事実上、サイトゥ−ンはキューバに行けなくなった。
 
今回の旅で彼は、いろんなエッセンスを加えてくれる♪
 
一瞬、彼の緊張感が移る。
 
でもさ、絶対そんなに危険じゃないよ。
世界のメディアがこぞって過剰反応しているのが、渦の中心にいるからはっきりわかった。
 
それは理屈もあるけど体感的なもの。
見えないものは確かに怖い。
だけど恐怖は冷静になればコントロール出来る。