テレビがおかしくなった理由

マスメディアの潮流を振り返ってみる。
電波が実用化されるまでは、瓦版から新聞までペーパーメディアが隆盛している。
つまりこの頃のマスメディアは文字とイラスト、そして写真だった。
 
そして新聞や雑誌は娯楽の王様だった。
 
テレビとラジオが家庭に普及し始めて、娯楽は電波メディアに移る。
そして王様はテレビに移る。ラジオも地味ながら地方の王様的な権威は持っていた。
 
強力な露出量を背景にテレビCMはお金を集め続ける。そして関わる人に潤沢にお金を配分していった。
裕福で余裕があり、モラルのある番組が作れた時代を過ごす。
 
その中でも過当競争があり、バラエティ番組がモラルの低い番組を造り始める。
まともな人はテレビから離れる。
そして忙しいので批判すらしないで放っておく。
 
テレビ局はマーケティングする。「大衆」はバラエティを受け入れていると判断する…それは間違いない事実。そしてまともな人が去った後の「大衆」という市場が欲しいものを提供する存在に成り下がる。
 
この時からテレビは社会をリードする気はなくなった。ウケて儲かる構造以外に志を持たなくなった。

テレビに関わっている側にとって、「大衆」は牧場の羊であり、提供する側が思い通りに操作できるモノだと思っている。
それは、たぶん今でもそういう意識はあるだろうね。
 
ウケるんじゃなくて、引っ張る番組を作れる人がまだいるとは思う。
だけど絶対数が少ないね。
多くの人は儲かることに精一杯。
 
それは日本の政府が戦後行ってきた、過剰労働によって生産をあげて、景気を揚げるプログラムの結果とも言えるんだけど。