2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

たぶん砂漠には魔女がいる

朝の砂漠は、女の体のような曲線を描く。 豊満で無用心で隙だらけな曲線を描く。 人は曲線を見て本能的に疼くんだろうなって思った。 エロティックって言葉は、その疼きを総称していると思っている。 掛け値なしに純粋に扇情的な風景だった。 人間だけじゃな…

思い出した。ここが目的地だったんだ…

撮影するのは、その時に感じた、言葉にならない印象や驚きを切り取る行為に過ぎないかも知れない。 だけど、感じたものや伝えたいことがあったからシャッターを落としたはずだ。 それが、少しづつ言葉に出来るようになっていく。 最終的には、写真は分かりや…

朝のメルズーガで頭がくるくる回ってた

静かさは夜と変わらないはずなのに、なぜかほんの少しだけ騒がしく感じる。 ほんの少し、動いている生き物が多くなっただけど、騒がしく感じるものだ。 でも多いかもしれない。 あちこちで見れば、100頭くらいのラクダと人が動いているわけだから… 昼の砂漠…

砂のお城にサヨナラを言った

現地時間で11時を過ぎていた。 明日は夜明けの写真を撮るつもりだ、そろそろ帰らなきゃ。 野営地は、まだ火が消えていなかった。 谷のように見える。帰りは尾根ではなく斜面を選んだ。 jijiと僕は、まっすぐに歩き出した。 少しづつスピードが上がる。 いつ…

砂漠の王様は考えた

ちょっと降りるのがもったいなくて30分くらい居ただろうか。 王様は一番大きな砂丘がお城。 そこから、地上を見下ろしている。 ふと思った。 京王プラザの最上階よりちょっと低いくらいの高さだ。 頂上の一人が、スノーボードを持っていていた。 サンドスキ…

大砂丘を空から見るのだ

頂上らしいところが見えた。 もうすぐだと思って、急ぐ。 角度もなだらかになってきた。 だけど、やっと着いたと思った先に、もうひとつ小高い丘が見えた。 山登りすると、よくあることだ。 丘の周りを見る。それ以上高いものはない。 あそこが頂上、間違い…

ひんやり砂、ホッとする月明かり、そこに山があったから

野営地の後ろには巨大な丘がある。 山といってもいい。 高さは野営地から150メートルくらい。 大して高くないように見えた。 正直軽く登れるようにしかみえなかった。 でも、そこは砂の山だった。 同じパーティのjijiは英語も話す。 あそこ行く?って聞いた…

月は、夜の太陽なのだった

東の砂丘の先が明るくなってきていた。 夜なのに。 月…それしか考えられない。 違うとしたら神様か宇宙人か、ラリってるか。 言葉で正確に説明するのは難しい風景。 でも月に降りたらこんな気分なのかもしれない。 暗かった砂丘が、また明るくなりはじめた。…

そこは360°全て砂の世界だった。

一番星が見えてから1時間くらい。空は完全に暗くなった。 正確に言えば暗黒ではなく、淡く緑色が混じっていると思えた。 その空に、延々と星が増え続ける。 星座は当たり前に見える。流れ星も見える。 でもその星は雲のようで、西から東に流れる川のように夜…

星の砂漠を進むのだ

だいぶ暗くなった。 さすがにもう写真は無理。 砂丘も赤から濃い茶色に色が変わっている。 夕闇って時間。 空はまだ明るくて、砂丘はほぼ見えなくなってきている。 砂丘と空の喫水線の曲線が美しい。 黒い紙を切って、その裏から出てきた蒼と紅のグラデーシ…

ラクダの背中に揺られてゆくのだ

出発する準備が整った。 ここまで一緒だった日本人6人と香港からの女の子二人組とフランス人のJIJI。 それとどこの国の人か分からないけどアジア人の男の人。 計10人の砂漠の奥へラクダで進む。 カメラを2台両肩に背負って、三脚と水とカメラバックをラクダ…

着いた!見た!あっけにとられた!

車はホテルの一つに入る。 電気は引かれてるんだろうけど、水はどうしてるんだろう。 ホテルの裏から砂丘が始まっている。 砂漠でなく、ここからは大砂丘が始まっている。 見渡す限り砂。 うねって、曲線を描いて、緩やかな陰影を見せている。 写真でよく見…

砂丘と砂漠には境界線があるのだった

ほとんど速度を落とさないまま、ムスタファはハンドルを左へ切る。 アスファルトの道を外れる。 砂漠の道のない平原へ。後ろからは土埃が舞い上がっている。 なんとなく、冒険な気分。 たぶん、もうここはメルズーガなんだろう。 車はジュビ大砂丘に近づいて…

遠くに砂丘が見えた

エルフード、メルズーガまで40キロくらいの小さな町。 T字路を右へ折れてリッサニへ。 小さな雑貨屋で止まる。 最後の停車地。次はメルズーガだ。 1.5Lの水を2本買う。 モロッコでの300キロ近く移動は、さすがに疲れた。 店の床に寝そべる。タイルの冷たさに…

本当にSTAR WARSみたいな風景だらけ

ザゴラを後にして、一路メルズーガへ。 途中で、カスバに寄る。 たぶん、日本で言う昔の庄屋さんちみたいなトコに思えた。 昔の、ちょっと大きな普通のウチ。 埼玉辺りにある郷土民家みたいな感じ。 土埃が、暗い土間の小さな窓からさす光に反射して光を見せ…

避暑地のような渓谷もあるのだ

車はザゴラ渓谷へ向かう。 昼ごはんは、そこで食べるらしい。 ザゴラ渓谷。 ガイドブックに乗っていた、けどやっぱり興味はなかった。 途中でオアシスを見る。今は主に農業地域になっているようだ。 人は少し離れた高台に住んでいる。 帰ってから気が付いた…

写真展開催決定

前から決まっていたんだけど、モロッコの写真展をするんで、やることだらけ。 6月9日から22日まで。 場所は、新宿西口の三井ビル1Fのペンタックスフォーラム。 9日は、18時からオープニングパーティをしてます。軽い感じで…。 時間あったら、遊び来て軽酒し…

警察も取締りのノルマあるのかな?

最近、野方署の清正男さんに捕まって以来、車を運転するのが怖くなって乗っていない。 野方北口のバス停の前にバーで友達と飲んでた。 バイクが捕まってた。 狙ったように原付。歩道橋の上から見ていた。 完全に狙ったようにそこで捕まえているように見えた…

ビックリしたこと

キャンキャンってCanCamだったのを知った。 mなんだね。

マイケル・コリンズ

久しぶりに刺さってくる映画と出会った。 マイケル・コリンズ。 アイルランドのイギリス支配を終わらせた男の話。 あくまで映画の話だけど、人の為と国民のプライドの為に生きて、愛とか友情とか犠牲になって、それでも自分のあるべき姿を貫いて、死地に向か…

Mustafa Expressに乗って

バラの谷を後にしてちょっとして。 20メートルくらいの巨岩が道路わきにあった。 観光地になっているのか駐車場が見えた。 車の窓から、1カット切った。 ムスタファに止まってくれっていおうと思ったが通り過ぎてしまった。 彼の運転は巧いし、良くも悪くも…

砂漠にバラは咲いているのだ

ムスタファは走る。 どんどん風景が変わる。 一言で砂漠といっても一様ではないって分かる。 というか、なんでこんな地形になるのか、本当に不思議だった。 人は見たことがないものに驚くものだ。 広い河沿いの道になった。 ムスタファはバラの谷を通ると言…

砂漠にはランドローバーが似合う

ホテルの門を出ると、白いランドローバーが止まっていた。 トヨタは一日目で終わり。 ワルザザードからメルズーガのドライバーは別だった。 彼はムスタファ。坊主頭にちょっといかつい感じ。 例えばリタイアしたボクサーとでもいうのだろうか。 だけど笑うと…

環境の変化にDNAは追いついてない

その猫たちを見てワルザザードで思ったこと…たぶん全部で30秒くらいだったんだろうけど。 先進国の少子化と後進国の人口急増って、もしかしたら似ている事なのかもしれない。 人間が言葉を使うようになってから1万年も経っていない。その前の100万年間は裸で…

砂漠のホテルの猫

出発まで、あと30分。 朝食は、ホテルに付いている。 プールサイドのレストランまで戻る。 小さな、生まれたばかりの猫が鳴いていた。 15センチもない子猫が一匹で。 側に母猫がいない。 一生懸命鳴いていた。 大人の猫はプールサイドに3匹いた。 そのうちの…

ワルザザードに朝日が射すのだ

7時半。なんとなく朝早く目が覚める。 今日の夜。たぶんメルズーガにいるはず。 たぶん、ここから先はシャワーを浴びられるのは、砂漠を離れた後しかないらしい。 8時30分にピックアップが来る予定。 軽くシャワーを浴びて、プールサイドに立つ。 猫が、テー…

ワルザザードの夜

ホテルに到着。名前は覚えていない。 小さなプールがあって、静か。 リゾートホテルな感じ。空が濃い蒼を残している。 乾いた空気と穏やかな気温が遠くへ来たなって思わせる。 夕食を食べに、ホテルを出る。 時間は8時くらい。 周囲にレストランは、ほとんど…

そんで、本当に雲がなく青い

19日はアトラスの先のワルザザードに夕方到着。 環境の変化が激しかった。 古都マラケッシュ、丘陵地帯のアトラス北斜面、裸のアトラス頂上部、赤い谷を抜けて、世界遺産アイト・ベン・ハッドゥへ。要塞村の頂上まで登った。

赤い。なんか全体的に赤い土地。

カスバを後にして、より深い谷へ。 乾季だから、渓谷の流れは細い。 それにしても、よくこんなところに住むもんだし、道も作るものだと驚く。

そして砂漠にやってきた

昼食は、タジン。実はこの先の昼はすべてタジンだったと思う。 思うというのは、どこまでがタジンなのか判らなかったから。スープとポタージュの境目がわからないようなものだ。 辛くない香辛料で、ベースはジャガイモでは変わらない。 トッピングが、鳥にな…