星の砂漠を進むのだ

saitoon2006-05-21

だいぶ暗くなった。
 
さすがにもう写真は無理。
砂丘も赤から濃い茶色に色が変わっている。
夕闇って時間。
空はまだ明るくて、砂丘はほぼ見えなくなってきている。
砂丘と空の喫水線の曲線が美しい。
黒い紙を切って、その裏から出てきた蒼と紅のグラデーションの空。
 
マラケッシュの話に、朝の光の話を書いたけど、日没もやっぱり良いね。
 
シルエットになった砂の谷を進んでいく。
徐々に砂と空の境目のコントラストがなくなってくる。
このまま真っ暗になると思った。
だけど暗くならない。
 
一番星が見えた。
 
しばらくすると星はどんどん増えていく。
ゆっくりとしたプラネタリウムの様に星が増えていく。
ガイドのイッショが指を指した。
動いている星が分かるかって言った。
 
ひときわ光っている星があった。
人工衛星だよ。
彼は言った。
肉眼で衛星を見たのは初めてだった。
たぶん望遠鏡ならアンテナも見えるんだろうと思った。
 
その後が凄かった。
空と砂しかない世界だから実感したことだと思うんだけど…