そこは360°全て砂の世界だった。

saitoon2006-05-22

一番星が見えてから1時間くらい。空は完全に暗くなった。
 
正確に言えば暗黒ではなく、淡く緑色が混じっていると思えた。
その空に、延々と星が増え続ける。
星座は当たり前に見える。流れ星も見える。
 
でもその星は雲のようで、西から東に流れる川のように夜空を覆っていた。
覆っているというのはおかしいね。
装飾させて光っている感じ。
星雲だった。
 
落ちてくるほどの天の川。ほんの少し恐怖感さえ感じた。
 
砂が星の光を反射させるからだと思う。
ちょっと離れたくらいじゃ、人が見えなくはならない。
さすがに本は読めないけど…。
暗闇に迷うことはない。
 
野営地に着く。
周囲は砂山。何度となく写真やテレビで見た風景。
その中に自分がいる。
あまり実感がわかない。
ヨーロッパでもハワイでも、自分の住む環境と全く違うという事は無かった。
 
でもここは違う。
当然だけど、ほとんど人はいない。
観光客以外の人はいない。
だって農業も工業も不可能。
いる理由がないのだ。
 
野営地で夜食を取る。
やはりタジン。
だけど相変わらず飽きない。
カレーもそう簡単に飽きないのに似ている。
アラビアパンと一緒に食べた。