ラクダの背中に揺られてゆくのだ
出発する準備が整った。
ここまで一緒だった日本人6人と香港からの女の子二人組とフランス人のJIJI。
それとどこの国の人か分からないけどアジア人の男の人。
計10人の砂漠の奥へラクダで進む。
カメラを2台両肩に背負って、三脚と水とカメラバックをラクダの袋に乗せた。
こぶに座って、ラクダの後ろ足が立ち上がる。
思った以上にのめる。
カメラが振られて、三脚を直撃した。
レンズフードが吹っ飛ぶ。
ガイドが拾ってくれたけど、壊れてた。
立ってしまえば、ラクダはおとなしく歩く。
ゆったりと悠然と歩く。
もちろん揺れるけどね。
のんびりした馬って感じかもしれない。
一歩一歩、大砂丘へ入っていく。
先頭にガイドがいて、歩く速度でラクダを引っ張っていく。
多少揺れながらも、黄昏の大砂丘を見ては、シャッターを切っていた。
日が沈む直前。
ラクダの揺れとカメラを手持ちにしていることを考えると、もうブレを止めることは無理だろうなって思った。
それでも、光は美しく砂丘を照らしている。
ブレるのは分かってるさ。でも、しばらくシャッターを切り続けていた。
神様はこういう時、たまにいい写真をプレゼントしてくれる。