砂漠にバラは咲いているのだ

saitoon2006-05-09

ムスタファは走る。
どんどん風景が変わる。
 
一言で砂漠といっても一様ではないって分かる。
というか、なんでこんな地形になるのか、本当に不思議だった。
人は見たことがないものに驚くものだ。
 
広い河沿いの道になった。
ムスタファはバラの谷を通ると言った。
バラの谷…なんか甘い言葉だな〜。
谷は、広く削られた緩い谷のほとりにあった。
バラ園には行かなかったけど、遠めに見ただけだけど。
 
風景を説明すると、川沿いに緑の帯が流れている、っていうんかな。秋の利根川の河川敷とそんなに変わりはない。
でもモロッコにいると、水と緑がある所が、美しいって認識になる。
 
砂漠に川が流れて、バラの葉の緑が濃く茂っている。それだけを見ても元気になる。
見ているとバラの香りがしてきた。それも惹かれる香りだった。
谷から香ってくるのならば、香る谷を感じに行かなくちゃって思った。
 
だけど、振り向くとバラ屋があった。
バラ水やバラクリーム、バラ石鹸とか売っていた。
それにしても良い香りだった。
 
一番香りが立っていたバラクリームを二つ買った。すごい保湿力があるクリームだった。