避暑地のような渓谷もあるのだ
車はザゴラ渓谷へ向かう。
昼ごはんは、そこで食べるらしい。
ザゴラ渓谷。
ガイドブックに乗っていた、けどやっぱり興味はなかった。
途中でオアシスを見る。今は主に農業地域になっているようだ。
人は少し離れた高台に住んでいる。
帰ってから気が付いた。
オアシスに入っていないなって。
オアシスの中ってどうなっているんだろう。
見た感じだと、映画で出てくる大砂丘の蜃気楼の果てに木々が茂っているたぐいのものじゃなかった。
オアシスだけじゃなくて、水脈があるところには、木々が生えている。それがポツポツあった。
たぶん、モロッコの砂漠気候ってのは、そんなに過酷な場所じゃないんだって、この辺で気が付きだした。
子供の頃テレビで見た砂漠って、誰が作ったイメージなんだろうな…
ここまでで、人が全くいない場所ってのは、ほぼなかった。
基本的には褐色の平原なんだけど、遠くまで見えるからか、地平線に羊の群れとかが見えたりする。
当然、そこには羊飼いがいる。
羊飼いは山にもいる…
そうか、国自体が牧場のようなもんかもしれない。なんて思った。
産業としては農業が主体なのかもな、って思った。
それはそれとしてザゴラ渓谷へ到着。
ビックリした。
せり出した高さ100メートル超の一枚岩。幅も相当ある。そんな岩が寄り添ってできている渓谷。
あれだね、アメリカの偉人4人が彫られた崖あったじゃない。
あんな壁が向かい合ってそびえてる感じ。
大きな花瓶ので出来た壁の間にいる蟻みたいな気分になる。
直接の太陽なんて、ほんの少ししか射さないだろうけど、湿気ってはいない。それが砂漠気候なんだろう。
それにしても、見たこともない自然がゴロゴロしてる。
谷の間には川が流れている。
水は冷たい。源泉が近いのかもしれない。
イメージしていた砂漠とはかなり違う。
まあ、水脈がないところは確かに岩砂漠なんだけど。
ここでも昼はタジン。でも飽きない。