saitoon2006-01-06

道路に面したドアを開けた。
ドアには鍵がかかっている。日本に良くある式の内側は鍵なしでロックを解除できるタイプじゃない。
つまり、開けられない。
外に出られない。
閉じこめられた訳ではないけど、ちょっと閉じこめられた感じ。
まあ仕方ないなって、思って階段に座った。
ちょっとして、何となく上を見た。
吹き抜けの夜空が見えた。
どうなってるんだろう…夜景とか見えるのかな、なんて思った。
何となく屋上に向かった。
 
屋上に出た。ドアとかは無い。
吹き抜けの穴の周りに寝袋がいくつか転がっていた。
 
正確に言えば、安宿の屋上で、さらに安く上げようとして半野宿しているフランス人がゴロゴロしていた。
赤ん坊を連れた夫婦が下着だけで寝ている。その周りに女子大生みたいなのがパンツのまま寝てる。
こんな事が周りを気にせずに出来る奴らはだいたいフランス人だ。
なんでか裸でいるのが大好きな感じ。
あんまり相手とか関係なくセックスできる感じ。
 
あーフランスっぽいなって思った。
泥臭い感じが鼻を突いてきたので、階段を下りた。
 
お祈りが終わったホテルの兄さんと出くわす。
外出られる?と聞いた。
開けるの8時からなんだよね、って言われた。
今出たいんだけどさ、って返す。
いいよ、何時頃帰ってくる?
時計は5時。7時頃じゃないかなって言った。
分かった。じゃ気をつけて。
 
そんな感じで外に出た。
空は当然明けていない。
 
ホテルから出ると水銀灯に照らされた細い道が続いていた。