伯爵夫人

チャップリンの映画って、まともに見た事はなかった。
だって無声映画の人だとしか思っていなかった。
台東区の図書館に行ったら、あった。
カラーで、2時間もので。ちょっと引っかかって借りてみた。
 
たぶん50年くらい前の映画。
ゆるーい恋愛映画。
ハンパじゃないセンスと真面目で、一生懸命な印象。
名前だけ聞いた事のあるマーロン・ブランドとソフィアローレン、ちょい役でチャップリンも出ている。
 
影技術なんて、今と比べたら映画学校の卒業作品並み。
なんだけど、たぶん本質的に時代を超えていけるストーリー性を持っていると思った。
ちょっと、書きながら酔ってるけど…そう感じた。
 
たぶん、その頃の映画ってのはエンターテイメントの頂点だったんだと思う。
 
今の映画の、特撮にアクションに爆破ってって仕掛けは凄いけど、忘れちゃいけない基礎ってあるなって思った。
たとえば愛とか、人の弱さとか、優しさとかを直球で表現するって覚悟とかね。
 
今の映画って、消費財みたいになっちゃったんたんだなって思わせる力がある。
 
チャップリンに敬服した。
だけど、その彼を持ってしても、この作品が遺作になってる。
時代は彼を必要とせず、映画は大量消費の時代に入っていったんだろうな。
ちゃんと時代考証してないけど、たぶん間違いないと思う。
 
やな事だけど上り坂の時代は質より量は仕方がない。つまんない映画でも、見る奴がいるなら儲かるから。
なんとなく、最近そんな気配が近くにも漂っていて、つまんない事が多い。