蘇州の感想

蘇州と言えば、蘇州夜曲という歌が浮かぶ。
中国の歌の日本語訳だと思っていたその曲は、実は日本が中国を侵略して満州国と名乗らせていた頃の、日本人が作った曲。
歌自体はとても心地いい。
ずっと知らなかったけど、中国との融和政策の一環として、映画製作があり、その中で使われていたものらしい。
それを聞いたとき、ちょっとがっかりした気分だった。
  
初めての蘇州へは上海から新幹線で到着した。上海から40分。
東京から小田原くらいの感覚。
駅に着くと、客引きのおばちゃんが大量にいた。値段を聞くと安い。でも誘いを断ってタクシーに乗った。向かうのは蘇州の古都エリアのユースホステル
安くないけど、やっぱり英語が通じる方がなにかと便利だからね。
 
タクシーのおばちゃんは、運河沿いに車を止めた。
「あっちよ」って感じ。
石畳の道を、スーツケースでガタガタ言わせながら向かう。
10分くらい歩いて到着。

蘇州夜曲みたいなゆったりした素敵なところだったらいいなと思っていた。
実際どうか、というとまあ近い印象を持った。
ゆったりはしていないけど、気分的には落ち着く。
 
この地域は長江の悠久の氾濫によって出来た湿地が多い。そんな地勢に水路を張り巡らされた物流網が基本になっている。
現在は物流では使っていないが、この運河が蘇州に穏やかな気配を与えてくれるのではないかと思う。
 
中国の気配を感じる、お寺や屋敷が多い。
それが観光地として見られるものが多いのが蘇州の特徴。
 
グッと来たのは、留園。
箱庭という日本の得意技とも言えるものは、中国から来ていると実感した。