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ホテルに帰った。
そうこうしているうちに落ちる感じで眠った。
一応、部屋には鍵をかけた。

旅先では敏感なほど、目が覚める。
普段は気がつかない音でも目が覚める。
特に初日なんて、そんな感じ。

朝の4時半頃だろうか。
まだ暗い街の中にコーランが響き渡る。
あのニョロニョロって感じの声が街を抜けていく。

サイトゥーンは当然のように起きた。
ホテルのレセプションで誰かが話しているのが聞こえた。

観光地だからな〜。
夜中でも誰かが起きているんだろうな、なんて思っていた。
10分ほどボーッして、ベットから出る。
カメラ1台を持って部屋を出た。

受付に鍵を預けようとして、ドアを開けた。
ビックリした。
ホテルの受付というか、管理人の彼が壁に向かって土下座している。
正確に言えば、メッカに向かってお祈りしている。
悪いタイミングで来ちゃったかな、と思って「ゴメン」と言って部屋を出た。

そして玄関に向かった。
ドアを開けようとした。開かない。
鍵がかかっていた。