砂漠の天女さま、近々また来るよ
jijiはこの先のオアシスに向かうって事で、別れた。
いつも同じ言葉だけど、気をつけて&元気でって別れた。
ラクダは砂丘を下る。
メルズーガの丘をゆっくりと下る。
今、何時だろう…よくわからない。
妖艶な曲線が現れては消えていく。
夢を見ているのかと思う。
乗っているのはラクダ。
風景の中に文明らしいものがない。
自然の植物や動物がほとんど見えない。
だけど、やたら生命力がある風景。
うーん、来たかった風景だからってのもあるんだろうけど、飽きない。
時間感覚が麻痺する場所は確かにあるね。
ヴェネツィアもそうだった。
驚嘆する風景って、見るだけで考え方が変わるんじゃないかな。
諦めがよくなったり、優しくなったり、我慢強くなったり。
なんていうか、だってそうなんだもん的な現実だったりするから。
振り向くと目の前に後ろのラクダの顔。
平目みたいに目が離れていて、笑っているような表情。
ラクダの隊列はのんびり砂丘を 下りていく。
ホテルに到着、ラクダから降りる。
何度か乗ると、乗り降りも慣れるもんだ。
香港の女の子たち二人は、マラケッシュに向かうって。
彼女たちはグランタクシーで、西へ。
なんとなく感じていた。
旅の終わりが近づいてきたなって。
ちょっとだけ、寂しくなった。