life and journy 2

旅に出れば観光地にも行くには行くけど、名所めぐりみたいな行動はしない。
むしろ、その隙間。
名所という場所と場所の間をつなぐ移動の間に記憶に残ることが多い。
 
名も無い通りとか、迷った住宅街とか…
ガイドとかに載っていない、自分だけの場所を探していた気がする。 
 
それは、どこでもない場所で、どこにでもある場所だったりする。
 
それはたぶん、自分がしっかり立っているか、求めているものは何か、幸福かどうか、満足しているか…
そんな事を間接的に確認していた気がする。
 
考えてみるとサイトゥ−ンは2年ほど海外に出ていない事に気がついた。
 
気がついていた。
本当はもっと前に分かっていたのかもしれない。
 
色んな国、色んな場所、自分の知らない人たちに囲まれて、
色んな光を受けている風景に出会った。
 
その光の、ほんの一部は自分の写真になったりした。
写真に取ることが出来なかったほとんどの光は自分の気持ちが受けながら、気がついていた。
 
旅の真実。
たぶんそれは、旅をしていた本人の中に宿る。
旅の果ては、自分の心の中にある。
 
もちろん世界中に見たいものは山ほどある。
だけど、それを見れないとしても、そんなに不幸だとは思っていない。
 
ロッコ、メルズーガ。
その先のジュピ大砂丘
 
星の降る丘の上で、サイトゥ−ンは自分の旅の真実を見つけていた。
 
それをはっきり認識したのは何日か前。
自分自身を探す旅は、ずっと前に終わっていたことに気がついた。