サイトゥ−ン王子、再び砂丘に向かうの巻

saitoon2008-06-04

6月3日、その後
リッサニ行きのCTM長距離バス。
所要時間9時間。
ムスタファが言ってた通りだった。意外に快適。
席は一番前。
前のガラスが大きくひび割れている。
それも丸く完全にね。
 
高速走ったら、外れそう。
飛んできたらどうしようってハラハラしてた。
でもメルセデスだから大丈夫、って言い聞かせて寝た。
 
夜中にカメラのバッテリーを充電したまま忘れたのに気がついた。
どうしよう、電話してカサブランカに送ってもらおうかな…
なんて考えているとバスは休憩所に停まる。
ケバブを焼いている煙が、もう火事みたいに辺りを包んでる。
深夜2時。
お土産屋で地図と絵葉書を探していた。後ろから肩を掴まれる。
CTMのバスドライバー。携帯電話を出して、出ろって。
 
何で?とりあえず出る。
モシモシ〜、って覚えてる声。
ラスロックさん?
オゲンキデスカ?ダイジョウブデスカ?
って。
彼はサイトゥ−ンが部屋に充電器を忘れたのに気がついてから、メルズーガに向かうドライバーを見つけて、持たせて、その上で電話してくれた。
メルズーガに行くとは言ってたけど、夜の9時便で出発するとも言ってたけど、
深夜の2時に、バスを特定して、ドライバーの携帯電話を調べて、連絡をするなんて芸当は日本でだって余程のことがないと出来ない。

彼がホテルとレストランのオーナーなだけじゃなく、観光ガイドなのは知っているけど、どれだけの力があるんだろうか…
サラディーン・ラズロック氏。フェズに行くなら、彼にガイドを頼むと良い。
 
貧乏旅行には不向きだけど、ちょっと贅沢しても良いと思ってくれるなら、彼とそのリアドのスタッフは想像を超える旅に連れてってくれる。
チェックインもチャックアウトもなく、起きた時がブレックファースト。
その優雅な広間で、彼のレストランの最高の料理を食べることも出来る。
 
最高の庶民ハマムや市場を見て、たぶん5つ星のホテルに泊まるよりははるかにリーズナブル。
 
近くなく遠くなく、必要なときに必要な気遣いをしてくれた。
パーフェクトな仕事を魅せられたのは久しぶり。