南極で考えた11 サイトゥーン南米に戻る
南極で人間の想像力の高さを感じた。
クルーズ船で行くにしても、そこは普通ではない場所。
船長は、航海術には書いていない、恐ろしく綺麗な夕日を見せる操船をしてくれた。
ツアーリーダーのアニャは酷寒の南極を楽園に見せてくれた。
ルームキーパーのロサは、キャビンを自分の家のように感じさせてくれる。
毎日が記念日のようなデザート…それはそれで悪くないけど。
友人のような距離感で接してくれるレセプションのマルビとマリリン。
片言の日本語でリラックスさせてくれるレストランのベニさん。
フラムにはそんな気遣いが溢れている。
時差にも慣れたのか起きたのは午前8時過ぎ。
ベッドの上で軽くストレッチ。
7階の展望ラウンジへ、水平線が見える。
もうドレーク海峡の揺れも過ぎている。
12日目、午前11時前。
パタゴニアがかすかに見えた。
旅の終わりが近づいてきたのが見えた。
エドガーが声をかけてきた。
Good morning ser.
サーって。庶民だっつーの。
探検船と言うには優雅すぎかな…ふと、そんな事を思って笑っていた。