東京の電車で、自分の場所を主張する人の心理

なぜそんな微妙な差にこだわるのかを考えてみる。
 
外国人から見ると個々の日本人に明らかな個性を見つけるのは難しい。
他国の人と比べて個々の差が少ない。
どうして個々の差がないのかというと、個性があることが、あまりよく受け入れられないからのようだ。
 
同一性を重視する民族性なのだろう。
そしてその中での微妙な差をつけることで違いを見いだす。
大きな違いは、あまり許容されない。
わずかな違いの中に、大きな差を見いだす。
日本の文化・アートにおいても同じ事が言える。
他国の芸術に比べて、ダイナミックさはない。
 
「出る杭は打たれる」という言葉は、日本特有の傾向を言い得ている。
 
微妙な差というのは、実は勝負がつかないことが多い。そして勝負がつかないということは、勝負が終わらないということでもある。
 
日本人のこの、どうでもいいと思えるほど細かい事象を主張する理由は、この微妙な差でしか勝負できず、勝負がつかない環境が延々と続いていることから成り立っているのではないだろうか。