その後のマラケッシュ

saitoon2006-04-20

マラケッシュ2日目の朝。結局9時になってホテルに戻った。5時間も時間が過ぎたとは感じなかった。
とりあえず、カメラを片付ける。ベッドに横たわる。眼から頭に飛び込んできた風景を何とか整理してみる。ここはどんな国なのか、生活とか文化とか、経済とか。
かなり強引なんだけど、マラケッシュからモロッコを測ろうとしてみた。
 
でもやめた。浅草を見て、日本を語るようなもんだ。
ただ、少しだけマラケッシュの事は言える気がした。
たぶんメディナは、モロカンの歴史だから、古くても不便でも、彼らは住んでいる。それに古いけど古ぼけてはいない。

やっぱり疲れたみたいで、日の高い時間にメディナに戻る気にはならなかった。
昼前になって、やっと動く。今夜のホテルを探しに、近所に出た。別に連泊しても良いんだけど、違うところも見てみたかった。
ガイドブックを見ながらホテルに行く。中庭が広くて美しいホテルが多くあった。受付で聞く。大体「いっぱいだよ」って断られた。グレードが高いホテルに聞くと400DH。日本円じゃ4千円なんだけど、なんか、やめた。一人旅だ、快適な個室に泊まりたいわけじゃない。他を探しにいく。
一軒のホテルで、空きを聞くと、空いてるけど今は見られないよと言われた。じゃまた来ると出ると、若いのが付いてくる。探してやろうかって感じ。
彼の片目は白内障なのか、黒目が抹茶ミルクみたいな色だった。歯もところどころ抜けている。
ちょっと気味が悪いって感じなんだけど、まあいっか。
ああ、任せるよって感じで、yes, plesaseって答えた。

何件かまわる。そのうち空きが見つかる。部屋を見る。なにか気に入らない。
部屋を見て、ベッドの硬さを診て、部屋にシャワーがあるかを確認して、値段は昨日と同じ。悪くないんだけど、宿を変えるほどの魅力を感じない。
屋上に上る。綺麗なテラスにテーブルが置いてある。これも悪くない。
 
でも決めかねた。ひとつはちょっと疲れたって事。
宿が安全かどうかなんて一泊してみないと判らない。昨日泊まったホテル・メディナはたぶん安全。受付はまん前で夜中でも誰かいる。とりあえず今夜はあまり気を使わずに寝られるのは判ってる。あとは大雑把な受付の兄さんが気に入ったんだと思う。
一人旅が好きなわけでなく、誰も一緒に行く奴がいなかったから、一人で旅しているわけで、話せる奴がいたほうが楽しい。ホテル・メディナの受付の兄さんは、楽な感じだった。

ガイドしてくれた隻眼に、やっぱりやめておく、と断る。
何でだ!って感じ。
説明する単語が出てこないし、気分を説明する力もない。
悪いね、って言う。
ガイド代くれ、って言われる。
50DH。
安くはないと思うけど、こっちの都合で振り回したと思い、手渡した。