アトラス。そこにも人の暮らしがある。

saitoon2006-04-27

周囲を見ると、見たこともない植物が多いのに気がついた。
だけど、ゆっくり見るまもなく車は、また出発した。
山の中へ、ゆっくりと走り出した。
 
道は曲がりくねっている。急斜面に作られた道路。
さすがに日本車、何のストレスもなく登っている。大型バスも登っている、ボディを谷にせり出しながら…
ちょっと眺めのいいところで停まってはシャッターを切った。
  
こんな山の中なのに、おじさんや子供が、何かを売りつけに来る。
売り物は石。というか宝石の原石。
なんていうか、直径15センチくらいの石が真っ二つに切られてて、中がルビーとかのきれいな針みたいになっている、あれ。
ハンズとかで2000円くらいで売っているやつ。300円くらいだった。
子供がアンモナイトを持ってきた。そんな欲しくなかったけど、御土産に買った。 
 
峠を下り、しばらくするとアスファルトの国道を外れた。
舗装されていない山道へ。
それでもそんなに乗り心地は悪くない。たぶん砂利が敷かれていないからじゃないかな。
硬くなった土の道。
山の中へ入っていく。
なだらかな赤い土の山を走っていく。
徐々に山肌の傾斜が険しくなってくる。
 
気がつくと巨大な石が転がる谷の中。そんな石の間を車は通っていく。
そんな岩と土埃の谷にも村はあった。
たぶん、土を固めただけの家。窓にガラスはない。
車を見つけると、小さな子供が手を振る。
この道は、観光ルートになっているらしかった。
途中で砂漠ツアーの通行ルートになっている事に気がついた。
子供たちは、観光客が小銭をくれることを知っていて。真剣に手を振ってくる。
 
ふと、よぎる。
ツアー会社の車が一日に100台くらいは通るんじゃないかと思う。
観光業として、それなりのお金がビジネスとして動いていると思う。
この谷の民が享受できるようになっているんだろうか…
 
背中いっぱいに草を積んだロバが現れた。乗っているのは老人。
車を避けて道の端へロバを寄せた。