スタジオには魔女達がいる
今日は雑誌の撮影
前の日遊んでたのかな〜って感じでモデルの子がやって来たりする。
そういう日はモデルの鼻が低くみえる、日本人だからな。
心持ちライトを明るめのセッティングに変えたりして悪あがきをする。
惨敗の予感がする一日っていうのが、気分的にキツい。
だけど、奇跡はたまに起きる…
一流のメイクアップアーティストは、魔術師だ。
メスも使わずに目を10mm奥に入れて鼻を15mm前に出す。
メイクルームは神秘的なエネルギーが集まる場所で、メイクケースには不老長寿の薬とか色々入っているって聞いたことがある。
すばらしいスタイリストも妖術使いだ。
魔法の袋から、山ほどの服を取り出してハンガーにかけたかと思うと、
千葉駅前のコンビニで座り込んでいそうな女の子を、ヨーロッパの貴族に変えてしまう。
とはいえ黄色い歯はモデル自身でちゃんとケアして欲しいなー。
今回は、デザイン部門のデジタル処理で直してもらう。
撮影現場はいつだってアミューズメントだ。
自分的にはディズニーランドよりも面白い。
すれ違うような出会いと別れ。
華やかなスポットライトの裏に、悪い男たちが暗闇に潜んでいたり。
シンデレラストーリーもあるし、王様の首を狙う新興勢力もいる。
人生で起こることの大半は、スタジオの前でも起こる…たぶんね。