夏の思い出 numero.002

タイミングとしても、撮り始めて3年目。
新宿での写真展「浅草ブラジリアン」も成功してはいたけど、それでもなかなか本当の意味で中へ入っていけない状況はそう変わっていなかった。
そろそろ引き時かな、と感じていた頃、ちょっとしたきっかけでダンサーに誘われた。
 
その年コミサンのメンバーになって事は、本気でサンバをを撮ることはしばらく無くなる事だって感じてた。
夏の休暇のほとんどを費やす事になるのは判っていた。
それだけの価値があるとも思っていた。
 
あの時、本当の意味でエスコーラの扉が開いたのかも知れないと思う。
 
「やってみるよ」
10分くらい考えてサタにそう応えたんだった。