夏の思い出 numero.003

振り返るとその年、サークル活動に熱中してるようだった。
 
衣装を作りに毎週墨田公園に行って、背負子と羽根にスプレーして…。
飛鳥山公園に行って、子供が噴水で遊んでる隣で上半身裸になって踊ってたり。
 
多少思い入れはあるにしても、一般社会のどうでもいいような競争の対極にあるのがサンバのスピリットだと思っている。
 
実際にその年のエスコーラはそのスピリットそのもののような雰囲気だった気がする。
たぶん子供のような大人の夏だった。 
 
コミサンのリーダー、サタはよくウチに来た。
彼の野望や愚痴や取り止めもない話で笑って、言い争いをして飲んでいた。
人間の出来、良し悪しは別として、血の繋がっていない弟の様に思っている。
 
2004年の夏。
もう記憶の中で、ほんの少しセピアになっている。