これは実は4月4日の続き

ホッとして大使館から帰り、ちょっと頑張らなくていい宿にしようと思った。
正直神経は擦り切れた。
そりゃそうだ、飛行機のキャンセルにロストバゲッジにビザが取れなくなるかもしれないギリまで追い込まれたんだもん。
 
日本語が一切使えない環境で行こうと思ったけど、ここまで追い詰められると、無理。
ホテルは初日しか取っていない。
近くで日本人がいる安い宿を探そうって思った。
 
地図を見る。
自分のいるイダルゴの駅の向かい側にサン・フェルナンドという教会があってその前に日本人向けのホテルを見つけた。いわゆる安宿、ドミトリーがあるホテル。
とりあえず行ってみる事にする。

午後3時、その「サンフェルナンド館」を探しに行く。
行ってみた。ホテル・サンフェルナンドを見つける。
入ってみた。ドイツ人のような人がとりあえずいるって感じ。
空いてますか?って聞く。
空いてないって即答。
え!暇そうじゃん。
じゃ明日は?
ノー、ここはサンフェルナンドじゃない!
はあ?ホテルサンフェルナンドって書いてあるじゃん。
違うって言ってるだろう、お前の探しているのはエスキーナだ!
角って事?
ここじゃない!
 
よく分からないけど、そこを出て角に向かう。
角になんか何にもないじゃん。
そのまま曲がってしばらく行って見る。
ホテルらしいものはない。
 
ガイドブックの写真をもう一度見てみる。
あれ、確かにこの角の写真が載ってる、でも看板がない。
潰れたのかと思った。
 
鉄格子の奥に玄関がある。
脇にベルらしいものがある。とりあえず押してみた。
すぐに人が出てきた、日本人…
聞くと、ここに泊まっているお客さんとの事。

久しぶりの日本語での会話。
やっぱ楽だ。
彼は嘉山さんと言った。

オーナーが外出中との事で代理の管理人がいるってんで、とりあえず宿泊の手続きをした。
とりあえず一泊。居心地が良ければそのまま居るし、悪ければまた探せばいいやって思ってた。

ちょっとロビーでくつろぎながら話す。
嘉山さんはメキシコで仕事を見つけたんだって。
夜、一緒に飯を食おうってことになった。
夜の旧市街観光。
レストランで食事、メキシコは基本的に食い物美味い。
ホテルの近くのバーでテキーラを飲む。
一番お勧めをくれって言った。
ドン・ホアン。テキーラの既成概念を覆された飲み物だった。