saitoon2008-04-20

朝6時に目が覚める。
クスコ最後の日。
 
昨夜の出来事もあって、ちょっと気分の良い朝。
ヒーターがちゃんと効いていたのもあるんだろうね。
ホテルの朝食を済ませて、チェックアウト。
外へ出る。寒くはない。ほんの少し涼しい感じ。
 
カテドラルの広場へ歩いていく。
東京から持ってきたフワフワのハーフコートはもういらない。
ここで処分するつもりだった。
少し考えてた。
1.仲良くなった人にあげる。
2.ホテルの人にあげる。
3.捨てる
もう、荷物入らないんだもん。
 
広場でもらってくれそうな人を探す。けど誰もいない。
なんとなく、クスコに来て一番始めに歩いた14角の石の方に歩く。
 
子供を抱いて物乞いしていた女の人がいた。
これ良かったら、ってあげた。
すごく感謝された。そんなことで感謝されて、むしろ辛くなった。
 
整備されていない社会では、頭の良くない人やコネの全くない人は簡単にお金のある場所には行けない。
というより現実的に見えない壁がある。
高等教育や社会の仕組みを学ぶ意識がない場所で代々生きるから、そう簡単に変わらない。
どうしようもない現実。
  
振り返って、アルマス広場へ戻る。
ちょっと泣きそうになった。
 
おんぼろのタクシーを捕まえて、助手席に乗り込む。
運転手は、少数民族ケチュアだって言った。肌が黒い、汚いのか単に黒いのか…
たぶん服も汚れているから風呂に入っていないんだろうって思ったりして、それなりに話しながら空港へ。

実はまだ、東京を出てから半月しか経っていない。
貧困とか大自然とか、大都会とかスーパーリゾートとか、落ち着く間もなく移動してる。
飛行機を降りる度に違う世界に戸惑ったりしながら。

■南米の大枠■
これはたぶん言葉で説明しても、無理だと思うんだけど。
一応書いておく。
南米のほとんどの国は、一般的に日本人がイメージする発展途上国ではない。
タイとかベトナムとかよりは裕福。
そして、天然資源と肥沃な土地を持っている。

そんな事言ったって、南米は半分がジャングルで、アマゾンで魚釣って暮らしてんじゃん。
って思ってた。
確かにその通りだと思う。
だけどそれはテレビの影響。
だって、日本と全く違うものを映したほうが視聴率が上がるでしょ。たぶん。
 
見た現実を書く。
メキシコシティは、23区程度に大きい。
建物は台北程度に古い。
物価は日本の1/3。
ちゃんとしたスペイン料理は、タコスとかではない。
おにぎりや焼きそばを日本料理って言ってるようなモノだと行って見て知った。
スペイン料理は、強烈にヨーロッパへの想いが残っている感じ。
草原で食べるフランス料理のような感じ。

ペルーの首都、リマは浅草とか柴又の感じ。いわゆる東京の下町のサイズ。
そこに新市街とか金融街とか入ってる規模。
警官がいたるところにいる。ちょっといるくらいじゃ分からないけど、そこまでしなくても治安は維持できるんじゃないかと思えるんだけどね。
物価はここも1/3くらい。
ここの料理もヨーロッパよりもヨーロッパらしいかもしれない。

共通して言えるのは、ちゃんとナイフとフォークで食べるスタイルだって事。
左手でちゃんとフォークを使うなんてやった事が無かった。基本的に右手に持ち替えるアメリカンスタイルしかしてなかった。
だけど、みんなそうしてるんで覚えた。力加減とか裁き方とかね。
その辺の、安いレストランでもちゃんとナプキンが立ってる。
デニーズにナプキンが立ってるようなものだ。
それだけで、食事に対する姿勢が分かる。
 
見ながら覚えた。
朝食のパンは上下に半分に割って
たぶん低所得者が多い問題を解決できないでいる、のが問題化して開発途上国とされている。
富裕層(なのかな)は日本と特に変わらないもしくは遥かに裕福な状況。
その格差の大きさがありすぎる。

この富裕層を基準にすれば、食水準・住居環境など遥かに日本の中産階級を越える。

女性の体型に関して言えば、日本人に比べて二周り大きい。
具体的に言うなら太っているって事。日本の感覚で言えば8割は巨乳って言っていいと思う。
ただ腹も出ている。約半分は腹囲と胸囲が同じだと思う。全体的に肉付きが良い。
その割には体の動きは軽い。これは男女ともに言えること。

 
おしゃれな感じもなく、シンプルなだけの空港の駐車場に着く。
郊外にぽっかりとある空港。
車がほとんど停まっていない駐車場で降りて空港の建物に向かって立ち止まった。
深い青い空。
レンガ色の瓦と街並み。

その風景の中で感じた。
見るべきものをしっかり見て、感じて行こうと思った。
 
ただ好奇心のためでなく。

※そしてその続き
空港でビップラウンジ的な場所があったので行ってみる。
お金持ち風に装ってソファへ。
インカデザインの宝飾品があったんで値段を聞く。
かなりいいデザインなんだけど、
30万って言われた。総金仕上げ。買おうかなって思ったけどやめた。
贈り物にして、気に入らないって言われるには高すぎる。
自分のデザインの好みに癖はあるから。
 
ソファで日記を打ちながら、ピスコサワー飲んでる。
カシアーサとほぼ同じ飲み物。
ジンジャエール割りもかなりいける。
 
ラウンジのガタイのいい兄さんがチケットを見せてくれって、
渡すとセキュリティチェックしておくかって言われる。
よく分からないけどお願いした。
20分くらい経っても戻ってこない。
搭乗時間まで後50分。集合時間まであと20分。
でもここはVIPラウンジ。おろおろしちゃいけない。
 
ちょっとするとチケットを持ってきた。
スペイン語で話している。
ちょっとだけ分かった。
「時間が来たら、プライベートチェックインするからくつろいでいてください」
みたいなニュアンス。
え?プライベートチェックインって、何それ?…というのは顔に出さず、「了解、グラシアス」と言ってのけたよ。
でもさ、プライベートチェックインって何さ…
 
集合時間10分前。
荷物を片付けて、ラウンジを後にしようとする。
ありがとうって言って、チップを渡す。
一般ゲートへ向かおうとした。
「待って下さいセニョール」
何?急いでんだけど…
「15分前に準備すれば大丈夫です」
マジで!
ビップラウンジですよ、セニョール。
彼は笑ってる。
 
「ふふん、なるほどね」って態度を何とか維持する。
とはいえカンクーンで出発時間前に飛行機に飛ばれてしまったトラウマから、搭乗ゲートには集合時間に行きたいのが本音。
席に戻って、かなりビビりながら、パソコンを打ち続けた。
 
時間ですセニョール。
そうですか、とりあえず落ち着いたふり。
 
どうなるのかビクビクながらついていく。
一般ゲートと真逆の方向へ。
閑散とした、広いスペースになぜか手荷物検査機が一台。
時計を見る。あと10分しかないじゃん!!!
 
「セニョール、手荷物をどうぞ」って言われる。
言われなくてもやるよ、セニョール!
 
荷物検査は何もなく終わる。
ムイビエン。
ってか出発まであと5分じゃん。
 
荷物を持って歩いていく。
誰もいないじゃん。
 
かなり焦ってた。
階段を上って、彼はドアを開けてくれた。
 
そのドアの先、それも真正面に搭乗する15番ゲートがあった。
Saitoon puedo ir a Rima, otra vez.
 
その手際のよさに、もう一度チップを渡したのだった…5ドル


搭乗中に日本人ぽい人がいたんで話しかけた。
日本の方ですか?
Perdon?
Sorry, Are you Japanere?
ってか日本人ならperdonって言わないでしょ。
No, I'm chinese.
Oh Chinese! Sorry. Where from?
Hong Kong.
Hong Kong! I've been to tres times.
スペイン語まじってんじゃん。
以下日本語訳。
香港良いトコになりましたね。
返還前に比べて、綺麗になったと思います。
やっぱり同じ民族が統治するほうが良い事ありますね。なんて話したつもりだったけど通じてなかったみたい。
 
リマ空港に戻って、また一緒になった。
どうやって街行くのって聞かれる?
バスで行こうと思うんだって答えた。
俺出すから、タクシーで行こうよ。
シェアしようよ、って言ってタクシーに乗る。
彼の名前はレイ。
取り留めのない話をしながら、スペイン語でタクシー代の交渉したり、道を指示したりしながら彼のホテルへ着いた。
結局タクシー代を出してもらった。
 
ホテル・アンバサダーへ戻る。
顔馴染みになったスタッフが迎えてくれた。結構嬉しい。
このホテル、ダウンタウンの中心にあってかなり古い。
大改装中で、昼はガンガン修理やってた。
6階泊まってたんだけど、5階から2階まで全部工事中なんだもん。
2階の踊り場にインターネットを無料で出来る場所。ワイヤレスだったもんで日本語でネットが出来た。 
 
ホテルに戻って洗濯して、いろいろ準備してたら日が暮れた。
近くのデニーズみたいな店に入る。
7ソルのハンバーガーを注文。
何だこりゃって位大きなプレート。
肉二枚。中盛りライス、小サラダとポテト。
十分堪能しました。