朝6時半に起床。
気温もそんなに暖かくはない。朝晩はちょっと涼しい。ここは秋だもんね。
寝不足なので念入りにストレッチをする。
7時10分くらいに朝食。ここの朝食は値段の割りに良いと思う。
7時40分にチェックアウト。
 
ホテルで教えられたバスを待つ。
バス停には何人かいた。
気の良いオジサンがアルゼンチンはこれに乗れと教えてくれた。
乗った。切符売りの、やはりおじさんにパスポートを見せてスタンプのところで下ろしてくれって言う。
判んないよって感じの表情。
ドライバーと話をしてた。
「このバスじゃない、ここで降りて待ってな」的な事を言う。バス代返してくれて。
へ?
でもバス代を返すって事は悪気とか面倒で行ってる訳じゃない。
素直に降りた。バスから教えてくれたおじさんがニコニコして手を振っている。
 
何だ!あの親父。
教えて降りたとすれば、心配したりするはずなのに笑ってる…
悪気の無い顔をしていたから、たぶん気が良いだけどと思う。
ある意味サイトゥ−ンのパパみたいにありがた迷惑な感じがした。
分からないなら格好つけて教えないで欲しいね。
よくいる気のいい“俺が、俺が”って人かと思った。
 
バス停に、ちょっとすました女の子。本を読んでいた。
アルゼンチンに行きたいけど、ここで良い?って聞いた。
いいわ、って。
時刻表見ながら、どのバス乗ればいいの?って聞いた。
そこに乗ってないわ、って。
まあいいや、待つことにしよう。
バス停は街のセントラル。次々とバスが来る。
こっちのバスは手を上げて止めないと行ってしまう。止められるかな…
しばらくして遠くにアルゼンチンって書いてあるように見えるバス。
それよ、って彼女。
 
ありがとう、って言って乗った。
今度はワンマンバス
パスポートを見せて、スタンプ押したいって言う。
分かったって表情。
よし!これは大丈夫。
ほっとしてイスに座った。

10分後にブラジル側の出国管理事務所に着いた。
周囲に何も無い一本道の先。高速道路の料金所みたいな感じだった。

10秒でブラジル出国を済ませて、またバス停に戻った。
おばさんが一人やってきた。
アメリカ人で両親はアルゼンチン人だって言ってた。
両親はアルゼンチン人で彼女はアメリカ人…って事はアメリカで生まれたんだね、たぶん。
 
何よ!この場所!何もないじゃない!
みたいな感じで怒ってるみたい。なんかパジャマでそのまま出てきたみたいなジャージ。
そりゃ何もないでしょうよ、国境だもん。
 
彼女に次のバスが来るまでアルゼンチンの状況を聞いてた。
アルゼンチンのイグアス見て、飛行機で帰りたいんだけどって相談。
まずバスターミナル行ったほうが良いわってアドバイスをくれた。
それもそうだなって思って、プエルト・イグアス。アルゼンチンサイドの国境町へ。
 
アルゼンチンの入国管理事務所。
全員下ろされる。人が並んでいるところに行く。
周りががやがや話している。
声をかけてくれたのは、あの違うバスを教えてくれたおじさん。たぶん…
なんでここにいるんだ〜。
 
後から考えた。
たぶん俺らより遅く来たって事は、間違って、どこかでバス乗り換えたに違いないじゃん。
彼は、ここはアルゼンチン国籍の入管だから外国人はあっちだよって教えてくれた。
周りの人も、がやがやあっち行けって言ってたから、たぶん間違いないだろう。
言われた方に行く。切符売り場みたいな入国管理事務所。
ってかこのオッサン。
「俺は外国人とコミニケーション取れるんだって」アピールしたかったんじゃないかな、
 
正直、国境で引っかかるとストレスも時間的なプレッシャーも大きいんだよね。でも彼はそんな事気にもしてないんだろうな。
彼の一言で、旅に致命傷与えられた人が何人かいるんだろうって想像できた。
 
入管窓口は若手のお兄さん。なんか陽気。
どっから?ハポン
どこ行くの?ブエノスアイレス、んでマドリード
あそ。バンってハンコとサインをくれた。
「ヨウコソ、ヨイタビヲ」
日本語じゃん。
Muchas Grasias!って返す。

バスは出発。
おばさんとまた一緒。
入国カード書かなかったんだけどいいのかな?
イグアスは良いのよ、だって。
10分でプエルト・イグアスのバスステーションへ着いた。
おばさんにお礼を行って別れた。
実は、後からまた彼女は登場する。
 
バス停に旅行代理店とバス会社がいっぱい。
もう空港に行くのが面倒になってきて、バスで行こうって決めた。
滝行きのチケットとアルベルトさんが薦めてたボードでの滝見物のセットを買った。
68ペソ。2,200円くらいかな。
バスを調べる。15:10に高級長距離バス。これがフルフラットシートになる。乗ってみたい。200ペソ、6000円くらい。
今10時過ぎ。片道30分で滝見て帰るとして3時間は見れるじゃん。
バス停のお姉さんに、今から滝行って。15:10に乗りたいんだけど大丈夫?って聞いたら「無理」って一言。
軽く回るだけで4時間はかかるわ。って言われた。
日本人的に早足で回ればいいじゃんって考えたけど、こっちの移動時間は読めないんで、戻ってからどのバスにするか決めるって伝えた。
 
アルゼンチンのイグアスへ。
なんか正直、ブラジル側から大接近で見たからいいよって思ってたけど…
ブラジルに比べて大自然な感じ。全然迫力あるね。
悪魔ののど笛のすぐ側から滝が落ちるのを見たけど、しょっぱなは怖かった。
 
滝に突っ込むボートツアーに乗ったけど、大粒のシャワー。
ざーって感じじゃない。
ドバーって感じ。
漫画みたいな「どばー」だよ。
カメラはビニール袋に入れて置いたから良かったけど、パンツまで濡れた。それにしてもたのしい、笑えた。
結構大人は笑ってたけど、子供がびっくりして泣いてた。
 
やっぱ15時に戻るのは無理だった。そこそこ急いで回って結局着いたのは16時前。
16:30のセミデラックスでブエノスアイレスへ行くことにした。翌朝9:30着予定。17時間のバス旅行。
相当きつそうだけど、実はこれがかなり快適。
かなり倒れるワイドシートで席は横に3列しかない。飛行機のビジネスよりいいかもね。
で夜食と朝食が出るんだけど、いい旅行会社のエコノミーよりちょっと上。
シャンパンもあるのには驚いた。
 
バスが空いていたのもあって、ホテルまでは行かないけど相当に快適な夜。
ふかふかシートだし、空気が乾燥しないし、ゴーとか音しないしね。
心残りは最高級バスで、フルフラットシート体験したかった。
泊まるだけのホテルならこっちのほうが楽しいと思うよ。