鬼門イスラエルへ国境を越えたのだ

間髪いれずに、朝からイスラエルへ。
スタンプを押されないように色々と言い訳を考えてバスに乗る。
シリアに行く人はイスラエルのスタンプがあると入国禁止になる。
　
まあ結局押されたんだけど、別にシリアに行く予定がないから良いや。
　
行ったイスラエルは、正直荒んだ感じも多々ある印象を受けた。
旧エルサレムの壁の中、いわゆるオールドタウンしか知らないんだけど、アンマンに比べると目が冷たい。
ボッタクリというよりツーリスト価格ってのが高い。高いねって言うと、日本人が…って感じで蔑んだ言葉を吐かれた。
いい大人なのにね。
イスラエルが…、くらいは返してやったけど。
そんな事しなきゃならないのが嫌な国。
　　
ちなみに夕方絨毯屋に話しかけられて、お店でお茶をご馳走になった。
かなり端折るけど15万の絨毯だけど、6万で売ってやるけどって。
　
いい絨毯が適正価格なら買っても良い。
だけど半畳もない絨毯がいくらシルクだとしても。、6万じゃ買わないよ。
日本で売れば儲かるぞって言われたってね。
サイトゥ−ンはカメラマンで、絨毯で仕事する気なんかまるで無いよ。
　
諦めたのか、向かいの店に連れて行かれて、何か安いの買って行ってくれだって。
昔、イスタンブールで似たようなやり取りがあったな、って思い出した。
その頃はチャイご馳走になっただけで負い目感じたりしたな。
結局買わなかったけど。
　
買わないって諦めると、今度はお前の行っていることは全部嘘だ、
お前の母親はバカだとか言ってきた、
　
子供じゃないんだからさ…
はっきり言っておくけど、世界の商人なんて言われてる、ユダヤ人のレベルなんて、こんなもん。
少なくともイスラエルのオールドタウンはね。
冷静に考えれば分かるんだけど、もし本当に商才とモラルに長けてたら、中東の小国のままでなんかいない。
エジプトだってそう。
　
資源も持たない東洋の小さな国が、戦争で全てに近い財産を失いながら、たった30年くらいで国全体を世界最富裕国のレベルまで引き上げた奇跡が、中東に来て見えた。
国全体が最高レベルで機能してる平和で裕福な国。
　
モラルとか礼儀、日本と日本人は最高。
中東の界隈で会った日本人から、同じ言葉を何度も聞いた。
　
残念なのは日本のルールでは海外では、良い様にやられる事が多々起きるってこと。
略奪と一神教が融合した野蛮な国が多いもん。ヨーロッパとか中東とか。
　
ダマスカス門の外の地元系ファーストフードの前で日本人と会った。確か大輔さんと言った。
その広場で夕食とってたら、メロンとナイフ持った若い子が構ってきた。
メロン切るのも良いんだけど、たまに投げるフリとかしてくる。
観光客用の安物のベルベルナイフ。
お金を要求するつもりじゃないのは分かる。矛先の無い怒りみたいなエネルギーを感じた。
観光客に意味もなくナイフを向けてくる街ってのは相当に荒んでる。
　
この国、本当に暴力的なんですよね…って彼。
確かにね。
テロとか自爆テロとかやられる場所だからね。
人が信用できなくなるんだろうね。
敵意持つようになるんだろうね。
　
誰が悪いのか分からない…
でも大輔さんと話してたのは、たぶん宗教が悪いんじゃない？
って感じ。
　
宗教論は持っていないけど、一神教は他の考え方を排除することで求心力を高めると思う。
古代ローマとか日本とかアジアの多くは八百万の神。
八百万の神様は人を救ったりしない。導いてもくれない。
人が何かをしようとしたときに、後ろから少し押してくれる。
　
人間が中心で、人が積極的にならないと何もしてくれないのが八百万の神様達。
日本人が約束を守ったり信頼を重視するのは、無責任に「神様が助けてくれる」なんてバカな発想を持たなかった事が幸いした気もするね。