ノルウェーはバイキングの子孫の国

saitoon2008-07-03

今日はアトランティックロード観光。
ナショナルジオグラフィックで世界最高の風光明媚な道に選ばれた道路。 
 
フェリーでバスごと移動して島に渡った。
桃源郷のような空気。
つまり暑くなく寒くなく、湿度はほんの少し乾いていて汗が蒸発するように出て行く。
 
余談だけど、中東の空気は10日いると体が乾燥しだすのが分かる。
肌がカサカサになってくる。
 
でもここは、湿気がないってくらい。
息をしているだけでも、穏やかになる。
 
アトランティックロードって言われている道をバスは進む。
海沿いの道。太陽が海に光って宝石のような風景。
サイトゥ−ンが見た日本でいちばん近い風景は、奄美大島の南端の山の頂きから見た風景。
 
古い教会に行った。壁は塗っただけ。金色のキリストとかいない。
シンプルを通り越して質素。
それまで南米やヨーロッパで見てきた絢爛な教会ではない。
言われなければ、木造の魚の燻製倉庫のようにも見える。
その位に装飾がないって事。
 
北欧はプロテスタントの国。カトリックじゃない。
 
世界一周はメキシコから始まった。その後、南米へ行った。
キリスト教会を街という街で見た。
その姿は征服者が既存宗教やインカ帝国の神殿を取り壊して、その上に建てたものだった。
奪った金塊で作られたキリストが奉られた教会は、権威的で抑圧的で殺戮の匂いがした。
 
ヨーロッパで見たカトリックは、豪奢もしくは絢爛そのものだった。
金を織り込んだ衣装を纏う司教のキラキラする姿は、庶民からは神の代理人に見えたろう。
教会はさながら宝飾館だし、そこにある権威は王を凌いていたんだから。
 
その金は南米から運ばれた。
 
ヨーロッパの教会は殺戮者が自ら作った教会ではない。
たぶん人を殺していない建築家が奴隷を使わずに作った建物。
だから血の匂いは気がつかない位薄くなっていた。
王侯貴族が枢機卿の地位を独占し、庶民統治の権力装置になった教会。
本来イエスが禁じていた偶像崇拝を奨励して、イエス像や宗教絵画という当時の広告宣伝技術を駆使していく。
 
そして二つの新興派閥が生まれる。
 
ひとつはマホメットによる、イスラム教。
もうひとつはプロテスタント
イスラムプロテスタントカトリックもアダムとイブから人間が始まっている。
 
エジプトで知った。つまり、ルーツは全てユダヤ教から派生した分派。
 
話を戻そう。
ノルウェーの教会には、労働の辛さや冬の寒さを奇跡で救うなんて印象は感じなかった。
感じたのは、清貧にして共に耐えるという思想。


キリスト教じゃないサイトゥ−ンだから客観的に見えるものもあるんだけど。

客船の昼。
着るものが少ないんで、昼前は洗濯してたことが多い気もする。
12時を過ぎて、また外へ出る。甲板にはのんびり日焼けしてる人がいっぱい。
ヨーロッパの人は日焼けが大好き。
年配になってもガンガン焼いてる。
皆ビキニ着てるんだよね。
健康と余裕のステイタスみたいなんだけど、結構シミが出来てても気にしない。
たぶん服でカバーしようってのがヨーロッパの感覚なんじゃないかな。
動けなくなるまで、若い頃のまま行く人が多いと思う。

それはそれで良いよね。楽しそうだし。
サイトゥ−ンはたぶん無理だけど。

午後1時を過ぎてランチ。これもビュッフェ。
実はだいたいメニューは同じ。
 
昼は軽めに食べてた。
写真を撮りに来てるんで、昼の光で撮る事はあんまりない。
とは言え、船だから、通り過ぎるその時しか撮れないものって結構あるんで、カメラはいつも準備していた。
お仕事だからね。

微妙な緊張感と、上も下も青い世界。
何かやろうにも出来ることは限られてる。
ぼうっと風景を見るとか、誰かと話すとか、日記でも書くとか…
たぶん船は隔離させた世界。
ただ沿岸船だから一日に4〜5回小さな港に停泊する。
だいたい30分から1時間くらい。
それ以外は、陸と切り離される。
 
ちょっと不思議な客船旅行。
 
そして一日に2〜3回ある、船外ツアー。
港で下船して、バスで名所に行く、次の寄港地で船に戻るような予定。
お仕事なんで、船会社からは全部出なさい!的な指示があった。
ツアーリーダーってのは、オプションツアーのプロデューサーなんだけど彼女とは最初からウマがあった。
たぶんサイトゥ−ンはウマみたいな感じ。
Are you coming to the ship by works or your travel?って聞くからさ、
This is works this timeなんていい加減な英語で返す。
したら、ニコッと笑って、
Masahiro, you don't have time to sleep!なんて感じ。
実際にはじめの二日間はそれに近かったかもね。
 
日が沈まないから、教会でのミッドナイトコンサートなんて企画あったり…
街は明るいんだけど、店は全部閉まっていて、人は歩いていなかったりね。
 
Sae Eagleを見に行くとか、フィヨルドの沿岸道路ツアーとか、宝石のような島の観光とか…
そのうち、写真でアップすると思う。
で、帰ってくると夕方。と言っても午後7時とかになってる。でも全然昼感覚。

客船の夜
そう、北極圏を越えると本当に半年近く昼が続く。
ちょっと慣れそうないけど、機会があったら冬はどうなのか見てみたい。 

眠いんだけど、寝れない。
まあダラダラ起きれてば疲れて寝るんだけど、浅い眠りで睡眠不足気味。
でもそれはそれで特別な体験。
 
毎夜毎夜、太陽が海に近くなる。5日目にやっと太陽が地平線に隠れるようになった。
北限より南下したって事。
でもね空は白いまま。日本で言う日暮れって状態。
 
真っ暗くならないのは、最終寄港地ベルゲンまで同じ。
深夜に港に停めたヨットで友達と緩いパーティとかしてるノルウェイジアンをいっぱいいた。
黄昏が夜の10時頃から3時頃まで続く。
レストランは深夜でもお客さんがいっぱい。
まあ港周りしか自分の足で歩いていないんだけどね。
 
思った。彼らはバイキングの子孫。