南極日記0124

24日
 
デッキ見学、船長のハンセンは飛び抜けて大きい。たぶん195センチくらいかな。
船の操作の説明とか、レーダーの事とか教えてくれたけど、あまりよく分からなかった。
ただ、感心したのは海の中がかなり具体的に分かるって事。
後になって実感するんだけど、フラムは鯨に良く出会った。それは船乗りの勘と最新の設備のコラボレートだったんだなって思う。
 
南極と言えども今は夏。上着を着れば寒くはない。まだここは緯度は60度付近だしね。
強く太陽が照っていて、良い気分。
南極半島に沿って船は南下。南極は海から急激に山が立ち上がっている。
 
初めての上陸。ハーフムーン島へ。
ここはヒゲペンギンの営巣地との事。
野生のペンギンには初めて会う事になる。
 
島へは小型ボートに分かれて行く。
それにしても温度は冬の東京くらい。この小島の雪の大半は溶けてしまっている。
そういうところだから、ペンギンが営巣するんだろうね。
 
乗船者全員に配られるブルーのエクスペディションジャケットを着てポーラボートに移る。
思ったより乗りごごちの良いボートで快適に海を渡るのだった。
ボートはハーフムーン島のビーチへ。
エクスペディションチームは、先に到着して降船用の足台をビーチに立てて待っていた。
 
船を上下船の時は、チームクルーに必ず上から腕を預ける。クルーは下からしっかり掴む。これが約束。
揺れたりしても、海に投げ出されないように。
もし海に投げ出されても、流されたりしないように。
上陸のブリーフィングでしっかりと言われた大事な約束の一つが、この腕を組むって事。
 
着いたビーチは、岩浜。砂浜のように石が細かくなっていない。
ごろごろした石だらけ。どういう事かというと入り江の上陸地は波がなく、風もほとんど吹かない。
石はたぶん寒暖の差で割れたりしているんだと思う。だから尖ったまま残っているんじゃないかな。
 
あとは居るのは基本的にペンギン。ちょっとだけアザラシと海鳥だからね。
 
野生のペンギン…というか普通のペンギンは意外に動ける。
坂も登れるし、急いでいない人くらいの早さで歩く。
走っているのかもしれないけど。
 
それに体はかなり柔らかいね。
 
もっとも印象に残ったのは、人を恐れないこと。そして意外に勇敢なこと。
鳥が子ペンギンに近づくと、ジャンプして威嚇するしね。
そしてヒゲペンギンはかなり睨まれると怖い。
でも普通は、ぽよーんとしている。
 
そんな表情というか雰囲気の差が大きいのもペンギンの魅力なんだろうね。
丸まると、本当に可愛い形になるし、睨めば精悍。
 
フラムは5グループに分かれて上陸する。一艇に対して一度に100人以上の上陸は認められていないから。
2グループ重なる時間もあるから、そんな感じ。
 
ハーフムーン島を離れて、また南下する。
入り江を出ると、ドレーク海峡の影響が出て、また船が揺れ出す。
 
やっぱり船は後ろの方が少し楽。
フラムはレストランが一番後ろ。その入り口前にミュージアムスペースがある。
夜そこで休んでいたら、寝てしまった…