11日

トロンハイムに朝到着する。
だから朝7時から朝食にする。朝食もビュッフェ。
 
なんとなくガツガツ食べる。写真を撮る気になっている証拠。
8時半に船を出る。
駅から街の中心までは15分って聞いてた。
 
白い…船を出ると一面雪景色。
そして水平線がピンクのグラデーション。
気温はたぶんマイナス6℃くらい。
雪がキュッキュッて音を立てる。
そして道は凍っている。
昨日のオースレンとは違う。
オーレスンは雪が溶けて滑るけど、トロンハイムはあまり滑らない。
 
そんな温度の中をサイトゥーンはクリスチャン城塞に向かう。
どのくらい距離があるのか知らない。
でも1時間はかからないでしょうよ。
 
クリスチャン城塞がどんなところかは知らない。
でも、前に夏に遠くから見た時に素晴らしく綺麗だった。
 
ただそれだけ。
 
地図を見ながら運河沿いを歩く。
木製の跳ね橋があって小学生の集団登校みたいな一段と出くわす。
朝日が出てきたとこ。
素晴らしく綺麗な光。
橋の向こうに城塞が見えた。
手前に急坂。
遠くて30分。もちろん向かう。
 
ここで前も気がついていた事を思い出す。
ノルウェー人の美しさ。
大きなターコイズブルーの瞳。
微妙にクラデーションがかったブロンドの髪。
長いまつげ。細い眉毛。
彫りの深い目元に高い鼻。
日本でもそうだけど、湿度があって寒い地域に住むが故の鼻の高さと肌の綺麗さ。
 
もちろん誰もがじゃないけど、美人はとびきり美人。
ベルゲンの空港で、生きているローマの彫刻のようだと思ったのを思い出した。
 
クリスチャン城塞への上り坂。登ったばかりの太陽が正面から当たる。
正直暖かい。ほっとする。
空は雲が一つもない。
側まで来た。
入り口がなかなか見つからないので、直坂する。
 
城壁の中へ入る道を見つけた。
そして、奇跡のような風景が目の前にあった。
 
その後、ニーダロス教会を裏から一周する。
お墓を回って表に出たんだけど、足の指が寒さで痛くなった。
一度脱いで、さする。少しは効果がある。
でもって朝のトロンハイムのメイン通りを突っ切って帰る。
 
たぶんキリスト教新派の勧誘にあったけど、分からないっていって船に向かった。
 
帰ってエクスカーションオフィスへ。
相談した件の確認なんだけど、聞きづらい。
マグネさんは不在。
なんとなくホッとして部屋に戻る。
 
すぐにレセプションへ。
部屋の撮影をしたい旨を日本から伝えていた。
で、レセプションへ。
パーサーのユナさんがいた。
笑顔の可愛い大人の女性でドキッとした。
品があって、かっちり仕事が出来そうな彼女は実際に仕事が出来た。
 
その場で撮影が可能だったし、その段取りの良さも含めて短時間でお願いしていた撮影が終わってしまった。
 
ユナさんの仕事ぶりは、本当に見事。笑顔が素敵で且つ、変な緩さもない。
会話の丁寧さも、こちらが恐縮するくらい。
Sur付けの会話なんだけど、それだけは勘弁して欲しいと思った。
会話中のSur自体は、普通の謙譲語なんだろうけどね。
サイトゥーンには似合わないよね。Donとかならまだしも。
彼女の方がsurという言葉にふさわしいんだもん。
 
夜、マグネさんとすれ違う。
マサさ、エクスカーション全部取れた、だって。
本当!ありがたい、って答える。
まあなって笑顔。
彼が笑った顔を見たのは、この一度だけ。
東京では一杯だっていう返事だったから、現場言って調整してくれたんだろうね。
そんな彼はSurは使わない。 気分的にはこっちが楽だよね。
 
2008年のコング・ハラルドとは全く雰囲気が違うな〜と思ったりする。
あの時はサザエさんみたいなカリーンさんがツアーリーダーだった。
船の中でも、積極的にお客さんに入っていく人だった。
 
マグネさんは、その辺はない。きちっと説明して後はお客さん任せ。
ツアーリーダーも色々なものだと思ったりした。 
 
昼過ぎに船は出航した。
ずっと雲一つない天気。
 
夕食の後、マグネさんに聞いてみる。
ノーザンライツでるかな?って。
天気も良いし可能性が高いよ、だって。
ちょっとわくわくする。
 
午後9時過ぎ。
船内放送で「出た」って流れる。
その時、エクスカーションオフィスの前で、メールをチェックしてた。
放送は、エクスカーションオフィスから発せられる。
つまり目の前でマグネさんが放送していた。でも違う事だと思っていた。
 
オーロラが出たら、放送しますよ的な話だと思ってた。
ので、そのままパソコンしてると、マグネさんが話しに来た。
お前、オーロラ見たいか?
うん、もちろん。
今出てるぞ、船首の北側!
マジで?
言ったじゃんよ、マグネさんが困った顔。
 
部屋にカメラを取りに戻る。
焦らないよう、自分に言い聞かせる。
で、オーバーパンツを履く。
レンズとかカメラとか三脚とかチェック。
 
で、出てみた。
前って言ってたから6階のデッキの方が見やすいはずだと思って行く。
 
でももうデッキはオーロラを見る人で一杯。
ラッキーだったのは、オーロラは船の左前だったこと。
で、左舷に移ってみると空いているスペースがそこそこあった。
見えたって言うより、あったって感じ。
 
水平線近くに横長に漂っている。
ほんのりというか、はんなり緑色を放っている雲みたいなもの。
それが初めて見たノーザンライツであった。
 
とりあえずカメラを構える。
船は微妙に動いてる。シャッタースピードを上げたい。
でも、画質は荒らしたくない。
相反する条件の中で、ベストな条件を見つけるのもプロの腕なんだけどさ。
それは、どんな現場でも少しは悩むよね。
 
よほど条件が良くない限り、肉眼ではカーテン上のオーロラが見える事はないみたい。
ぼんやりと流れる光の橋のようなものが見えるみたい。
 
まあ、水平線にある訳だし、出来るだけ見た目通りに撮ろうと思った。
にしても水平線近くだとオーロラって感じがあまりしない。
 
地図上では、まだオーロラ・オーバルの中にいないか端。
だからそれは仕方ないね。
 
残念な事には、結構月が揺れている事。
オーロラの光が、強くない感じ。
 
まあ策を考えねば。