上海到着、即もめ事に巻き込まれる

成田空港の82番ゲートで搭乗待ちなのですが、茶髪のおじいちゃんが、つるっぱげのおじいちゃんにフィリピンの女の子について熱く語っていた。
たぶん日本語を話しているので日本人。概ね70歳くらいかな。
 
男の言う事を聞いて、従うタイプが好きだと言っている。
そして、自立している女性は嫌だと言っている。
 
知り合いのフィリピン女の人で、一生懸命働いている40歳くらいの人が、朝から晩まで働いていて不幸だと。
それなら、お金持ちに囲われて適当に遊んでいる方が幸せだろうと。
そんな働いている自由は成功ではないと、彼は、延々と熱く語っている。
でも、内容はそれだけ。
延々と同じ事をループして語っている。
 
なんだろうなって思った。
一つは、周りに聞こえるよう大声であえて言うのは、周りに聞いて欲しいから。
何を…たぶん自分はお金を持っているって言いたいのだろうね。
 
だから茶髪で、ホリエモンみたいなTシャツで、プリントジーンズ。
志茂田景樹みたい。
 
もう一つは「怒り」ではないかと思った。
そんな話を語ったって、周りが不愉快になる。分かっていて大声で同じ話を語るのは、八つ当たり。
俺はすごいんだって言いたい。
  
広島の女の子とか、フィリピンの女の子にお金だけ取られて、良い思いをしていないなだろうな、って思った。
 
お金だけ持っていても、あまり認められない。
でもひけらかされれば、周りはお金だけ欲しがる。
 
彼は彼で、自分のプライドが折れないよう必死なんだろうね。
でも厳しい人生だろうなって思う。
そして、自分の現実が見えないように、またお金を使うのだろうね。

上海で、いきなり日本好きという二人の女の子に声をかけられた。
日本語を話したいから時間ないかって。
面倒くさい。
地味で小さな女の子二人。
 
でも、無下に断るのも日本人としてどうか思ったので、夕ご飯食べる時間くらいならいいと話した。
一人は買い物、一人は宿まで案内してくれる送るとの事。
お言葉に甘えて連れて行ってもらう。実際には一人で行けるけどね。
 
宿はキャプテンホテル。
ガイドブックに載っていたから、まあまあひどくはないと思って行ってみた。
良くはない。まあ明日朝から杭州だから気にしないけど。
 
一人では行きたくない。
知り合った日本人の海老原さんを誘って、お話をしに行く。
というかかなりお腹が空いているから。
中国のちゃんとしたご飯やさんを教えてもらおうと思っていた。
そう言ったのに連れて行かれたのが「上島珈琲」って店。
たぶん日本の会社と関係ない、と思う。
 
まともっぽい中華なんかないから、チャーハンを頼む。それにビール。
 
なんかアニメが好きとか、同じ話を繰り返している。
腹一杯になったら帰ろうと思った。
 
なんか知らないけどウイスキーが4つ来た。
というかそれがウイスキーだとも気がついていない。
乾杯とか言ってくる。
口に触れて、酒だって初めて分かった。
あー、面倒くさくなるなって気がつく。
その後、フルーツ盛り合わせ。
 
そういうお誘いだったみたい。
っていうか、ここ喫茶店だし、色っぽい誘いもないし、軽くマージン取ろうと思っているのだろうと思っていた。
で、チャーハン食べたのでお勘定。
 
店員でもないおかまっぽいお兄ちゃんが、伝票を持ってきた。
よく分からないけど色々書いてある。
 
計算が面倒なのか、5000って合計額。
日本円で5万円。
ざけんな、って感じ。
 
ウイスキー一杯が360元、約4000円。
4人分プラスフルーツ。
それだって5万にならない。
たぶん計算出来ないんだろうね。
 
「ふざけんな」って言うと、凄んで来ちゃった。
ついでに普通っぽいおじさんが出てきて、二人になっちゃった。
 
周囲を見渡す。
全然関係なさそうな外国人とかお茶を飲んでる。
 
たぶん普通のカフェに見える。
周りに聞こえるように手を挙げて言ってみる「みなさーん、聞こえますか〜」
外人がこっちを見る。
出来れば関わり合いたくない感じでこっちを見ている。
分かるよ、気持ち。
 
凄んでいたお兄さんが、マズイって顔になるのを見逃さなかった。
たぶん店ごとグルじゃない。色々面倒だから、場所を貸しているんじゃないかな。
「アナナタチ、ウイスキー、ノンダデショ」
兄さんが、訴えるように言う。もうこっちのもの。

「飲んでねえよ」、周りに聞こえるように大声で言ってやる。
実際口をつけただけ。
「ダッテ、タノンダデショ」
「頼んだのは、そいつらだろうよ」、田舎から出てきたのを装っているお姉ちゃんに向かって言った。
姉貴格のが言う「オトコガハラウノガアタリマエデショ」
無茶ありすぎの展開に呆れる。
「フルーツダッテ…」
「食ってねえよ」叩きつけるように言い切る。海老原さんは一切れ食べてたかもしれないけど。
 
「ジャ、イクラダッタラハタッテクレル」思ったより簡単に引いた。
「200で」海老原さんがさりげなく割って言ってくれた。
良い仕事してるな〜って感心した。
「ワカッタ、200」
「○×△」姉貴格が叫んだ。たぶんもっと金取れって事。
「△△××○△」兄さんが黙らせる。
これ以上騒ぎを大きくすると、店から兄貴分とかに連絡されるんだろうね。
 
けっこうくだらない上海のスタート。
気分直しに、宿の屋上のバーで二人でビールを飲みながら、1時間ほど話してた。