ITが豊かにするはずの未来に関して

ジョブスは事実上スマートフォンタブレットいうプラットフォームを生み出した。
 
スマートフォンの時代の前、パーソナルコンピュータの世界で印刷メディアのプロセスを変えたのはアドビだし、ネットの世界を開いたのはネットスケープエクスプローラーだったんじゃないかと思う。
 
パーソナルコンピューターというプラットフォームは、実際にはハードメーカーが生み出したもので、ビルゲイツは根幹としてのOSを生み出した訳で、PCを生み出したのではない。
 
結果として、いろんなものがネットワークされるようになった。
それによって、様々な変化が起こる。
革新的ではないけど、非常に安全で便利になった。
 
自動衝突防止装置はIT技術だし、skypeによる遠距離会議もIT技術
 
そして便利になったという事の多くは、どこでも出来るからいつでも忙しくなっている。
 
では生産効率が上がって、人は豊かになったろうか。
というより効率的になった分の豊かさはどこに行ったのだろうか。

電車の中の進化論

20年以上前、電車の中で漫画や雑誌を読んでいるサラリーマンが多かった。新聞を読んでいるとちょっと格が上みたいなところがあり、スポーツ新聞だと格下とかどうでも良いレベルでの差の付け方があった。
 
今朝、朝から横浜に言って帰る用事があったのだけど、
電車の中は、メールやチャットとゲームがほとんどだった。
 
ITが世界を変えたとか、いろいろ言われてる。
確かに、自動車が自動で動いたり、遠隔操作で手術が出来たり、新しい技術が生まれている。
 
電車の中でさえ、暇のつぶし方が大きく変化した。漫画や雑誌という出版社が得ていた暇つぶし利益を、ゲーム・チャットといった暇つぶしに変え、IT会社に利益を移動させた。
 
それは、間違いなくiPhoneの影響が大きい。
ジョブスは暇つぶしの改革に大貢献している。
早死にする程走り抜けた人生は、確かに世界を変えたとは思う。
 
どう変わるかはジョブスに関係なく、ユーザーの問題なのだと思ったりする。

たぶん日本には独立したメディアは形成されていない

週刊ダイヤモンドに新幹線50周年特集が掲載されているとwebでもアップされていた。
http://diamond.jp/articles/-/59083
このリニアモーターカーの認可の絶妙な時期に載ってくるとは、JRのPRを請け負っている会社の腕だろうと思う。
会社には会社の言い分があり、自然保護団体には自然保護団体の言い分がある。
 
だけど、最終的に勝つのはほとんどの場合メディアを押さえられる側。
日本は新聞とテレビを同じ会社が持つ事によって強力な世論操作が可能な国。こんなのアメリカですら許可していない。
 
そしてアメリカのメディアは立場を明確にして、主張を含めて放送される。
日本のメディアによる世論操作は、第三者のようなフリをしてやってくる。
それが実は結論ありきだったりすると、本当に気持ちが悪い。

李香蘭を想う

日中戦争当時、李香蘭と呼ばれていた女性が数日前に亡くなった。
テレビを見ないので今知ったのだけど、彼女自体は見たことはない。たぶん歌しか知らない。
 
でも、蘇州夜曲、夜来香、何日君再来という曲は、子供の頃からどこかで流れていた。
日本人が作曲したとは随分大人になるまで知らずに、中国人が歌う中国の曲だと思っていた。
 
聞くと李香蘭の歌は中国でもファンの多い歌だという。
戦争が終わった後、敵国の歌と統制され、一時は全く聞こえなかったらしい。
それでも現在中国で懐かしい名曲になっているのは、多くの人が好む中国的な優雅さがあるからだと思う。
誰が作ろうが、誰が歌おうがね。
 
小野リサが夜来香を中国語で歌っているのが流れていた。ボサノバになっちゃうのだけど、やっぱり良いわ。
 
音楽は少しだけ世界を変えられる。

政治の眺める必要がある時

師匠ベルニーニもここに絡んで登場するのだけど、10年くらい前に「戦争広告代理人」という本があった。
 
新潮ドキュメント賞と大谷賞を受賞した名著。アメリカの広告代理店が戦争状態のボスニアヘルツェゴビナの政府に依頼され、戦争の世界世論を動かして、国際的な援助やNATO空爆を誘導させた経緯を綴った本。
 
この内容に比べたら、スケールも戦略も小さいけど、今の日本政府のPRを請け負っている会社がなんとなる見え隠れする。
 
政治はこの辺覗いているのが面白いと思う。先が見えるし。

創造はITでは出来ないようだ

ルパン三世の実写の宣伝を見た。ちょっと切ない。
最近よく分からないのがリメイク映画だった。ルパンなんかアニメ・漫画やりつくして今度実写。たぶん次はCGで、その次は3Dだろうな。
そんでその先は、マインドコンプレックスとか新しい技術。
 
映画でも何でもいいのだけど、要するに、次にくる創造的な革命が見えないということ。
焼き直しばっかじゃん。
こんだけ世界が高速のITでつながっているのに、新しいものが作れないとすれば、人とITの価値って何って疑問を思う。人間の能力より必要以上に早くなっているのだろうか…
本来、作業を効率化させて、想像に関する時間を作る話だった気がするのに。

wikiに募金して悪いか!

wikiのページを見てると、たまに募金の依頼がでる。
この前、募金をするかしないか、という話になった。
うざいから、すぐに消すという話が多かった。
 
確かにweb関係の商売は何かとイヤらしいお金の取り方をする会社が多い。個人的にはSoftbankが特にヤらしいと思っている。まあ携帯電話で10年以上付き合っている経験から思うんだけど。
 
冷静に考えてみるとwikiは、ソフトバンクやアップルみたいなヒモ付きビジネスプランと違って、地味に真面目にやっている団体なのではないかと思う。
 
ITは昔だったら詐欺に分類されているようなやり方がまかり通っている業界だが、wikiみたいな会社もある。
こういうところに募金する自分が好きで、毎回ちょっと募金するようにしている。